フィンランドといえば、ムーミンに映画「かもめ食堂」、そしてサンタクロース。これらがきっかけで、フィンランド語に興味を持った人もたくさんいるはず。今回は、東京のフィンランドセンター所長、アンナ=マリア・ウィルヤネンさんによるゲストブログ記事をお送りします。
フィンランド語は、__欧州連合の24公用語のうちの一つ__ですが、たった__500万人の人々に話されている言語__です。
2019年には全人口のうち87.3%の人々によって話されていました。 フィンランドの外では、ロシアのカレリア地方やスウェーデンの一部、ノルウェー北部や北米にも小さいながらもフィンランド話者のコミュニティーが存在します。
因みにフィンランドでは、フィンランド語の他にスウェーデン語が公用語となっており、人口の5%がスウェーデン語話者です。
フィンランド語はウラル語派に属し、言語学的にはハンガリー語と親戚関係にあります。
フィンランド語のアルファベットは__、一般的なローマ字29文字__で構成されるほか__スウェーデンのアルファベットである「Å」や「Ö」のほか、「Ä」も使用__します。
フィンランド語は学ぶのが難しい言語とも言われており、確かにそうかもしれません。ですが、例えば日本語など他にも習得が難しい言語というのは存在すると思います。
ですが、フィンランド語には多くの利点があります。
第一に、フィンランド語は敬語がありません。「お願いします」や「〜してください」に相当する言葉がなく、代わりに必要な時にはいつでも「ありがとう」を意味する”Kiitos(キートス)”を使うことができます。
また、フィンランド語には性別の区別による代名詞が存在しません。フィンランドは、男女平等の国と言われていますが、そんな面が言語にも現れているのでしょうか、男性・女性名詞、代名詞等がありません。
その代わりに__”hän(ハン)”という彼女・彼を表す3人称単数__を使います。
フィンランド語は、先述のようにたった500万人の人々にしか話されていない言語ではありますが、世界的に知られたフィンランド語の単語があります。皆さんもご存知かもしれません。それが__”SAUNA(サウナ)”__です。
「サウナ」はフィンランド発祥の単語で、フィンランド国内外におけるフィンランド文化において重要な役割を担っています。
ここまで、フィンランド語の概要をご紹介してきましたが、フィンランド語を少し学んでみたいですか?
__フィンランドセンターでは、フィンランド語講座を開講__しています。 詳細はこちらの当センターウェブサイトをご覧ください。
ここでは、便利な単語やあいさつをご紹介しますね。
もっと難しいフィンランド語の単語に挑戦してみたいですか? そもそもフィンランド語では、別々の2語を使うというより、__1つの複合語となることが多い__です。
例えば、フィンランド語で「バスの運転手」は話し言葉で、__”bussi”(バス)+”kuski”(運転手)が結合し、 ‘bussikuski’(ブッシクスキ)__となります。
このようにして、__世界で最も長い単語と言われている61文字からなる単語__ができあがります。
それが、 __”lentokonesuihkuturbiinimoottoriapumekaanikkoaliupseerioppilas”(レントコネスイフクトゥルビーニモーットリアプメカーニッコアリウプセーリオッピラス)__です。
これは、「タービンエンジン付ジェット機補助整備士下士官訓練生」を意味します。
とても学び甲斐がありますよね。 しかし、これがフィンランド語の美しさなのです。
いかがでしたか?フィンランド語の勉強に興味を持ったら、ぜひ都内の駐日フィンランド大使館併設のフィンランドセンターのフィンランド語講座の情報もチェックしてみてくださいね。
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